足尾から来た女 前編・後編

NHKの土曜21時結構好きなドラマが多いんだよねぇ。見ごたえがあるというか。4月からのロング・グッドバイも期待大だけどにののドラマと被るので録画かな。てか、4月まで土曜21時のドラマがないのかな?つまらん。前後編の2回で終わるっていうすっきりさに惹かれて軽い気持ちで見たんだけど、尾野真千子がすごかった!すごいすごいとは聞いてたけど(笑)、ほんとうにすごかった!カーネーションもちょこちょこしか見てないし、最高の離婚も見てないし、思えば尾野真千子をしっかりと見たのはこれが初めてだったかも。尾野真千子の演じた新田サチという人は最初は字も読めなくて世間のこともよく知らない典型的なあの時代の田舎の女の人なんだよね。それが様々な困難を経て最後には政治家に面と向かって意見するほどに、小石を投げつけるほど強い女に成長する。そのシーンの後ろ姿のかっこいいこと!街中でたまたま見かけた原敬に足尾のことを訴えて(原敬足尾銅山の副社長)かる〜くあしらわれ、田中正造にもらった渡良瀬川の石を投げつけた後の背中。背中でこんなに演技が出来るものかというくらいに伝わってくるものがあったなぁ。号泣でした。(原敬役の國村隼のあしらいの演技もほんと憎たらしくててすごかった。ほんのちょっとしか出番ないのにさすがの存在感)あと、サチは石川啄木に出会って初恋を経験するんだけど、石川啄木を見つめるサチのキラキラとした瞳。少女のようでした。すばらしい。ストーリーの中身としては足尾銅山鉱毒がメインのテーマなんだけど、どうしても福島とだぶってしまうなぁ。鉱毒の影響は現在でもあるようで。サチの故郷の谷中村は強制的に廃村になってその後も無人のままだそう。いつも被害を受けるのは一般庶民なんだけど、その一般庶民の中でも色んな立場の人がいるんだよね。サチの兄は最初は田中正造なんかと一緒になって村を守ろうとしてたんだけど、最後には役人になって自分の育った村を壊す側になってしまう。そうしなきゃ生きていけないから。色んな葛藤があってそういう結論になる。そんな兄にサチは泣きながらくってかかるけど、兄が正しくないとは言えないと思う。福島にだって色んな立場の人がいて誰が正しいとか正しくないとかそんなのなくて、当事者以外からどうこう言われるものではないと思う。難しいな。色々考えさせられたわ。